所長ブログ

2013年1月15日 火曜日

グローバル化の影響と思われる事件の増加

池袋に事務所を構える林浩靖法律事務所の弁護士の林浩靖です。

ブログの更新が、少しあきまして、申し訳ございません。

さて、今日は、グローバル化の進展で生じるようになったと感じている事件類型を取り上げたいと思います。

グローバル化の進展は、海外の不動産市況の影響としか思えない事件を、日本でも起こすようになりました。

以前、海外(特に、米国)の不動産市況が好調だった時期は、CDOエクイティなどの証券化商品が、証券会社を中心に売り出されました。これは、いわゆるサブプライムローンが含まれる商品だったため、いわゆるリーマンショックを契機として、価値が暴落しました。そもそも、証券化商品は、金融工学を駆使した、一般投資家が理解することが難しい商品だったため、多数の金融商品被害を生み出しました。

もっとも、CDOエクイティなどの証券化商品は、米国不動産市況の急落により、魅力的な商品が作れなくなったため、被害は、下火に向かっています。

しかし、これに代わって、今度は、海外への直接の不動産投資を薦める業者が現れました。米国のみならず、不況の影響で、欧州や東南アジアの不動産価格も下落し、さらに、円高が相まって、日本円に換算にした価格は、特に低下しているため、東南アジアや米国など、海外の不動産を購入して、投資することを薦める業者が現れたわけです。

もちろん、これらの業者が、全て問題のある業者というわけではない(もちろん、まともなほうが普通です)ですが、問題のある業者も混ざっており、さらに、不動産が海外にあるため、トラブルになると、海外の法律も絡み、解決は容易ではありません。

ただ、きちんとできるのであれば、魅力的な投資先でしょうから、きちんと業者を選んで、投資してください。トラブルを防止するのに役立つと思われる点を、以下に列挙しておきますので、参考にしてください。

① 引き渡しの日を契約書にきちんと明記させる、または、引き渡し時に代金を支払う内容にする。

② 相手方が海外法人になる場合、業者に連帯保証をさせる。

②は、現実的にはなかなか難しいときもありますが、そもそも、①に応じない業者であれば、事後的にトラブルになる可能性がかなりの確率で予想されますので、そのような業者は避けて、きちんとした業者に依頼して、投資家と業者が、ウィン・ウィンの関係を築いてくだされば、幸いです。

そして、業者に問い合わせても、報告がないなどのトラブルになった場合は、早めに、弁護士に相談しましょう。海外が絡むので、一般の投資家では、手におえなくなる危険性が高いですから、早めに、弁護士に相談し、適切な手を打つ必要があります。

最近の事件から、感じる雑感でした。

また、次回も読んでいただければ幸いです。

林浩靖法律事務所
弁護士 林 浩靖

投稿者 林浩靖法律事務所

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