所長ブログ
2013年12月11日 水曜日
[書評]橋本雄 NHKさかのぼり日本史外交篇[7]室町"日本国王"と勘合貿易ーなぜ、足利将軍家は中華皇帝に「朝貢」したのか(NHK出版)
1冊、業務と全く関係ない本の書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「NHKさかのぼり日本史外交篇[7]室町"日本国王"と勘合貿易ーなぜ、足利将軍家は中華皇帝に「朝貢」したのか」です(本記事は書評なので、この後は、「です」「ます」調ではなく、「だ」「である」調で書きます。)。
本書は、以前NHKEテレで放送されていた「さかのぼり日本史」の外交篇の室町時代の放送4回分を土台に書き下ろされたシリーズで、著者の橋本雄氏は、北海道大学大学院の准教授である。この本は、室町時代に行われた勘合貿易を巡る状況を中心に、「倭寇問題が核となって、明や朝鮮の外交体制により国際社会の場に引きずり出され」る室町時代の日本(161頁)が、どのような外交政策を取ったのかを、主に、足利義満期と義政期を対比させながら、論じている本である。もともとがEテレでの放送用のものであったから、特殊な専門知識を必要とする本ではないが、勘合がどのようなものであるかなど最新の研究成果も踏まえて論じられている本と言え、日本史に興味がある方なら、面白く読むことができるだろう。
また、「今も昔も、安全裡に国際交流がすすむように条件整備をするというのが『外交』の主たる役割」(209頁)ということを考えると、歴史の今に生きる者についての役割、歴史に学ぶ必要性を考えさせられるものがある。
今回は、業務と全く関係がない書籍に書評をさせていただきました。気分転換です。また、気分を新たに、本業もがんばりたいと思います。
林浩靖法律事務所
弁護士 林 浩靖
投稿者 林浩靖法律事務所