所長ブログ
2014年4月15日 火曜日
[書評]冲方丁 天地明察(角川書店)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、2012年に映画化もされている「天地明察」です(本記事は書評なので、この後は、「です」「ます」調ではなく、「だ」「である」調で書きます。)。
普段は、どうしても業務に関係する本や一般的な教養を得るための本が中心となっていまい、小説を読む機会がないのだが、たまに、無性に小説が読みたくなることがある。そこで、今回、以前から読んでみたいと思っていた本書を読むことにした。
本書は、日本独自の暦(貞享暦)を作るという一大プロジェクトに生涯をささげた渋川春海の生涯をテーマにした歴史小説であるが、理系離れが叫ばれて久しい現在、多くの者が敬遠するであろうテーマである数学や天文学をスリリングに描いており、引き込まれ、一気に読みたくなる小説である。
本書の中には、江戸時代の和算の問題が2問収録されている(20頁~21頁、236頁。なお、143頁の問題は解けないとのこと)が、2問とも難問で、当職には今のところ、溶けていない(解答の数字は、本書内に示されているが、解き方はない)。時間があるときに、また、考えたいと思っている。
本書は小説であるが、考えられる記述がいろいろある。例えば、「自分なりに術を立てて持参すれば、教える側もどこが間違っているか指摘しやすくなります。誤りを指摘されることを恐れて、何もかも拝聴するだけという態度は、かえって相手に労をかけます。」(88頁)という言葉は、学習において、自分なりに考えることの重要性を示しているし、また、「何の目的もなくおびただしい情報ばかり集めても、無駄ばかり増えてゆく。それよりもまず全ての土台となるような別の事業を設定し、その成就を通して、少しずつ授時暦(注:当時、精緻な暦と考えられていた中国の暦)の誤謬解明へとつなげる」という渋川春海の考え方は、大きな事業に取り組むときの持つべき心構えを示しているように思われる。
当職も、今、原発事故の被災者の救済という大きな話にかかわらせて頂いている。学ばねばならないことも多ければ、大きなことに取り組まねばならないことでもある。本書を読みながら考えたことを活かして、皆様の抱えるお困りごとを少しでも解決できるように努力する所存ですので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
普段は、どうしても業務に関係する本や一般的な教養を得るための本が中心となっていまい、小説を読む機会がないのだが、たまに、無性に小説が読みたくなることがある。そこで、今回、以前から読んでみたいと思っていた本書を読むことにした。
本書は、日本独自の暦(貞享暦)を作るという一大プロジェクトに生涯をささげた渋川春海の生涯をテーマにした歴史小説であるが、理系離れが叫ばれて久しい現在、多くの者が敬遠するであろうテーマである数学や天文学をスリリングに描いており、引き込まれ、一気に読みたくなる小説である。
本書の中には、江戸時代の和算の問題が2問収録されている(20頁~21頁、236頁。なお、143頁の問題は解けないとのこと)が、2問とも難問で、当職には今のところ、溶けていない(解答の数字は、本書内に示されているが、解き方はない)。時間があるときに、また、考えたいと思っている。
本書は小説であるが、考えられる記述がいろいろある。例えば、「自分なりに術を立てて持参すれば、教える側もどこが間違っているか指摘しやすくなります。誤りを指摘されることを恐れて、何もかも拝聴するだけという態度は、かえって相手に労をかけます。」(88頁)という言葉は、学習において、自分なりに考えることの重要性を示しているし、また、「何の目的もなくおびただしい情報ばかり集めても、無駄ばかり増えてゆく。それよりもまず全ての土台となるような別の事業を設定し、その成就を通して、少しずつ授時暦(注:当時、精緻な暦と考えられていた中国の暦)の誤謬解明へとつなげる」という渋川春海の考え方は、大きな事業に取り組むときの持つべき心構えを示しているように思われる。
当職も、今、原発事故の被災者の救済という大きな話にかかわらせて頂いている。学ばねばならないことも多ければ、大きなことに取り組まねばならないことでもある。本書を読みながら考えたことを活かして、皆様の抱えるお困りごとを少しでも解決できるように努力する所存ですので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
投稿者 林浩靖法律事務所