所長ブログ

2014年5月19日 月曜日

[書評]加藤謙吉・仁藤敦史・設楽博己 NHKさかのぼり日本史外交篇[10]飛鳥~縄文 こうして"クニ"が生まれた-なぜ、列島に「日本」という国ができたのか(NHK出版)



1冊、書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「NHKさかのぼり日本史外交篇[10]飛鳥~縄文 こうして"クニ"が生まれた-なぜ、列島に「日本」という国ができたのか」です(本記事は書評なので、この後は、「です」「ます」調ではなく、「だ」「である」調で書きます。)。

本書は、以前に書評をした「NHKさかのぼり日本史外交篇[5]江戸 外交としての"鎖国" なぜ、二百年以上の平和が可能だったのか」(該当する記事はこちら)、「NHKさかのぼり日本史外交篇[7]室町"日本国王"と勘合貿易-なぜ、足利将軍家は中華皇帝に「朝貢」したのか」(該当する記事はこちら)、NHKさかのぼり日本史外交篇[9]平安・奈良 外交から貿易への大転換-なぜ、大唐帝国との国交は途絶えたのか」(該当する記事はこちら)と同じシリーズの最終巻で、3人の歴史学者の共書である。

日本という国で、外交が意味を持つようになったのは、弥生時代である。本書に、「弥生時代は穀物濃厚の波及と受容に始まるように、外交がきわめて大きな意味をもつ時代であった。それを契機として、戦争や人口の増加、都市化、階級の発生伴う人々の差別化、外交問題など今日の国際問題を含む現代に通じる諸矛盾を抱えるようになった時代として、ある意味では日本列島の歴史のなかでもっとも大きな分水嶺であった」(182頁)とあるが、ここに、歴史を学ぶ意味も必要性も含まれていると思う。即ち、現代に通じる諸問題が存在するようになったからこそ、歴史を学ぶ必要が生じ、また、国際社会との付き合いが始まったからこそ外交が誕生したのである。

日本も、世界の一部であり、「日本列島も東アジア社会の一員として大陸の情勢と切り離すことなく理解していくことが強く求められる」(157頁)とあるが、弥生時代は、対外交渉は、中国大陸、朝鮮半島に限られていたから、このようになるが、現代なら、「世界の一員として世界情勢と切り離さずに考えていく必要がある」ということになろう。

勿論、当職の仕事は、目の前の依頼者の方の困りごとを、一つずつ解決していくことにつきる訳であるが、国内・世界の経済情勢などによっても生じる事件は異なってくることになるのであり、教養の重要性を実感しているところである。そして、教養の一つである歴史から学ぶことは多いと思います。勿論、今後も皆様のために頑張らせて頂きたいと思いますので、お困りの際は、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

投稿者 林浩靖法律事務所

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