所長ブログ
2014年8月21日 木曜日
[書評]カント(宇都宮芳明訳)永遠平和のために(岩波文庫)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「永遠平和のために」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
著者のカントは、ドイツの哲学者(1724年生―1804年死去)が、晩年に「永遠平和の実現を念じて公表した著作」(125頁)であり、世界の平和構築の原点を示す著作である。日本国憲法9条は、その原点を探れば、第三条項である「常備軍は、時とともに全廃されなければならない。」(16頁)に行きつき、国際連合の理念は、永遠平和のための第二確定条項である「国際法は、自由な諸国家の連合制度の基礎を置くべきである。」(38頁。なお、傍点は略した。)に行きつく。
IS(自称:イスラム国)のようなテロ組織の活動の活発化や、2012年の自民党改憲草案の公表など、平和を構築するという理念とは正反対の動きが目立つ。このような内外の情勢の中、平和構築という人類共通の大きな夢をどのように実現するかを考えるべく、このタイミングで、本書を読んだ。憲法9条は、人類共通の大きな夢を目指す第一歩であり、この思想を世界各国に広めていくことは、「平和国家」のブランドイメージを築いてきた日本にとって、重要なことだと思う。
当職も、東京・池袋で、日常の業務もきちんとこなしながら、人類共通の大きな夢を実現することに、少しでもお役にたてるように努力していきたいと思います。
林浩靖法律事務所
弁護士 林 浩靖
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