所長ブログ
2014年10月27日 月曜日
[書評]富増章成 考える力が身につく ディープな倫理(中経出版)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「考える力が身につく ディープな倫理」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
この本は、大学入試の「倫理」の入試問題、具体的には、センター試験と一橋大、筑波大の論述問題を題材に、社会人向けに哲学や宗教の説明をしている書籍であり、著者は、大手大学受験予備校の河合塾の講師である。
もちろん、素材は大学入試であるから、高校の「倫理」の範囲内に限られるのであるが、書籍自体は社会人向けである(もっとも、高校生でも分かる範囲の話なので、受験勉強につかれた受験生が、息抜きを兼ねて読むのもいいと思う。)から、「答えを出すというよりは、ステレオタイプ的な思考を打破していくこと、更に思考の抽象化を進めることで、物事を高い位置から俯瞰できるような思考を身につける練習」(8頁)をする目的で書かれている。
内容も、西洋の思想は勿論、本居宣長のような日本思想や孔子など中国思想も取り扱っており、哲学的な思考訓練に適したものとなっている。「『自分が考えた』と思い込んでいることも、実は誰かから聞いたことの受け売りなのです。その『誰か』は、もとをたどると歴史上の誰かに還元されます。」と述べられている(27頁)が、法律でも、過去の裁判例等の見解をまず押さえなければ検討ができない面があるが、その出発点は、哲学だから、哲学的なものの考え方を身につけるということは役に立つはずである。それは、法律に限らず、「ものを考える」必要があることであれば全てであろう。その意味で、分かりやすく、哲学的な訓練が可能な本書は、ビジネスパーソンすべてに有益な本だと思う。
林浩靖法律事務所では、法律に限らず、皆様のお役にたつために必要な情報は、幅広く収集に努めておりますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
この本は、大学入試の「倫理」の入試問題、具体的には、センター試験と一橋大、筑波大の論述問題を題材に、社会人向けに哲学や宗教の説明をしている書籍であり、著者は、大手大学受験予備校の河合塾の講師である。
もちろん、素材は大学入試であるから、高校の「倫理」の範囲内に限られるのであるが、書籍自体は社会人向けである(もっとも、高校生でも分かる範囲の話なので、受験勉強につかれた受験生が、息抜きを兼ねて読むのもいいと思う。)から、「答えを出すというよりは、ステレオタイプ的な思考を打破していくこと、更に思考の抽象化を進めることで、物事を高い位置から俯瞰できるような思考を身につける練習」(8頁)をする目的で書かれている。
内容も、西洋の思想は勿論、本居宣長のような日本思想や孔子など中国思想も取り扱っており、哲学的な思考訓練に適したものとなっている。「『自分が考えた』と思い込んでいることも、実は誰かから聞いたことの受け売りなのです。その『誰か』は、もとをたどると歴史上の誰かに還元されます。」と述べられている(27頁)が、法律でも、過去の裁判例等の見解をまず押さえなければ検討ができない面があるが、その出発点は、哲学だから、哲学的なものの考え方を身につけるということは役に立つはずである。それは、法律に限らず、「ものを考える」必要があることであれば全てであろう。その意味で、分かりやすく、哲学的な訓練が可能な本書は、ビジネスパーソンすべてに有益な本だと思う。
林浩靖法律事務所では、法律に限らず、皆様のお役にたつために必要な情報は、幅広く収集に努めておりますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
投稿者 林浩靖法律事務所