所長ブログ
2015年1月12日 月曜日
[書評]佐藤優 世界史の極意(NHK出版新書)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「世界史の極意」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
本書は、以前、書評をした「新・帝国主義の時代 左巻 情勢分析篇(中央公論新社)」(該当する記事はこちら)と同じく、作家・元外務省主任分析官の佐藤優氏の著書である。
著者が言いたいことは、最後の「近代の宗教である資本主義やナショナリズムに殺されないために、私たちはアナロジーを熟知して、歴史を物語る理性を鍛え上げていかなければならない」(234頁)という1文にまとめられていると思うが、全く、同感である。カール・マルクスは、「歴史は繰り返す。最初は悲劇として、二度目は笑劇(しょうげき)として」とルイ・ボナパルトのブリューメル18日に記しているが、まさに、歴史は繰り返すのである。しかし、当たり前だが、歴史は全く同じに繰り返すわけではない。繰り返していることを把握しなければならないのである。近隣諸国との関係は好転する兆しはなく、また、世界的にも景気は減速局面にあり、通貨切り下げ競争という、第2次世界大戦前夜と似た状況になってきている。今こそ、歴史をアナロジーでとらえ、第2次世界大戦前のような失敗をしないようにしなければ、軍国主義へ逆戻りしかねないのではないかと心配になる。
なお、本書の内容には、特別、思想的なものはないので、誰にでもおすすめできるものであり、自分の意見の説得力を増すための方法を考えることができると思う。
年も明けたばかりなので、仕事とは関係ない書籍について、1冊書評をしました。大きい話も重要ですが、まずは、お困りごとを抱えた皆様のために、今年も、東京・池袋所在の弊事務所で、目の前のことを一つずつ、こなしていきたいと思います。
林浩靖法律事務所
弁護士 林 浩靖
本書は、以前、書評をした「新・帝国主義の時代 左巻 情勢分析篇(中央公論新社)」(該当する記事はこちら)と同じく、作家・元外務省主任分析官の佐藤優氏の著書である。
著者が言いたいことは、最後の「近代の宗教である資本主義やナショナリズムに殺されないために、私たちはアナロジーを熟知して、歴史を物語る理性を鍛え上げていかなければならない」(234頁)という1文にまとめられていると思うが、全く、同感である。カール・マルクスは、「歴史は繰り返す。最初は悲劇として、二度目は笑劇(しょうげき)として」とルイ・ボナパルトのブリューメル18日に記しているが、まさに、歴史は繰り返すのである。しかし、当たり前だが、歴史は全く同じに繰り返すわけではない。繰り返していることを把握しなければならないのである。近隣諸国との関係は好転する兆しはなく、また、世界的にも景気は減速局面にあり、通貨切り下げ競争という、第2次世界大戦前夜と似た状況になってきている。今こそ、歴史をアナロジーでとらえ、第2次世界大戦前のような失敗をしないようにしなければ、軍国主義へ逆戻りしかねないのではないかと心配になる。
なお、本書の内容には、特別、思想的なものはないので、誰にでもおすすめできるものであり、自分の意見の説得力を増すための方法を考えることができると思う。
年も明けたばかりなので、仕事とは関係ない書籍について、1冊書評をしました。大きい話も重要ですが、まずは、お困りごとを抱えた皆様のために、今年も、東京・池袋所在の弊事務所で、目の前のことを一つずつ、こなしていきたいと思います。
林浩靖法律事務所
弁護士 林 浩靖
投稿者 林浩靖法律事務所