所長ブログ
2015年3月 9日 月曜日
[書評]東京弁護士会倒産法部編 破産申立マニュアル[第2版](商事法務)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「破産申立マニュアル」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
本書は、東京弁護士会の倒産法部に所属する弁護士が、「破産申立代理人向けの手引き」(はしがきⅲ頁)として作成された本である。「東京地裁民事20部における破産申立てを想定した内容」(はしがきⅳ頁)ではあるが、概ね、東京地裁と同じ実務運用がなされる裁判所が多いことからすると、破産申立てに必要な注意事項は、概ね述べてられている書籍といえる。この本があれば、破産申立てが初めての弁護士であっても、破産申立事件を何とか処理することができるだろう。
事実、この本の初版は、当職が初めて破産申立事件を担当することになった時に購入した書籍であり、調べながら処理することで何とか問題なく終えることができた。第2版になって、「関連の書式集・注意事項についても、最新の改訂分までフォロー」(はしがきⅳ頁)され、また、独立行政法人「労働者福祉支援機構における未払賃金立替払制度」(はしがきⅳ頁)などの、破産申立てと関連する手続についても増補され、ますます使いやすい本に仕上がっている。
理論的な問題が若干弱く、実務上の取扱いが前提となっている面はあるが、それは学者の執筆した基本書ではないので、やむを得ないだろうし、また、逆に、実務の取扱いに従っているからこそ使いやすい書籍といえる。破産申立ての場合は、まず、行うべきことをきちんと行うことが大切なので、本書のような本は有益だろう。新版も破産申立事件を担当する際には、座右の銘にしたいと思っている。
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弁護士 林 浩靖
投稿者 林浩靖法律事務所