所長ブログ
2015年3月16日 月曜日
[書評]山下友信・竹濱修・洲崎博史・山本哲生 保険法(第3版補訂版)(有斐閣アルマ)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「保険法」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
この本は、「民商法についての一通りの基礎知識がある学部レベルの学生であれば独学で通読してもある程度理解できることも目標として記述」(ⅲ頁・初版はしがき)された学生向けの教科書である。ただ、保険法は、平成20年に「保険法」が制定されるまでは、商法第2編第10章「保険」において規定されていた。この時代に書かれた体系書としては、大森忠夫京都大学名誉教授や本書の著者の一人である山下友信東京大学教授が書かれた体系書が存在するが、これらの書物は、平成20年保険法制定には対応していない(もっとも、これらの書物の価値がなくなったわけではない。特に、大森名誉教授の基本書は、現在でも、最も信頼に値する体系書と評価されていると思う。)。このような現状において、学生向けの教科書とはいえ、平成20年保険法制定に対応して、保険法の全体像が示されている本書は、現在、実務家にとっても保険法の全体を把握するうえで、貴重な書物である。
実際の事件では、法律の特定の条文のみが問題となることも多い。ただ、そうはいっても、その法律の全体像が頭に入っていないと判断を誤ることも多いので、全体像という基本は大切にしなければならない。
林浩靖法律事務所では、基本を大切にして、依頼者の皆様に、必ず、ご満足いただけるサービスをご提供しています。何か、お困りごとがございましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談下さい。
弁護士 林 浩靖
投稿者 林浩靖法律事務所