所長ブログ

2015年7月22日 水曜日

[書評]保坂直紀 謎解き・津波と波浪の物理(講談社ブルーバックス)


1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「謎解き・津波と波浪の物理」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

この本の著者は、東京大学海洋アライアンス上席主幹研究員である。
この本は、「数学的な取り扱いがかなり難しい」(5頁)水面の波を「数式を使わずに、ぎりぎりのところまで言葉で説明」(5頁)することを試みる書物であり、「ものごとをうんと単純化して、まずは基本を押さえる」(30頁)という観点から、「津波」と風が作り出している波である「風波」を説明する書物である。
「どのような仮定をするか、どのような仮定ができるかは、いまどんな減少に着目しているかということと密接に関係する」(68頁)から、「単純化と引き換えにどのような現象が抜け落ちるかを、はっきり意識する」(68頁)ことが必要なことを明示するなど、基本的な理解を試みる説明をしつつ、限界をきちんと明示している良書である。

東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故では、地震、津波が大きな原因となりました。
当職は、福島原発事故被災者の損害賠償請求訴訟に携わっているが、東京電力や国の責任を明らかにする上で、その原因となった地震・津波の基礎知識は、主張の検討の上でどうしても必要なので、ありがたい書物です。また、原発事故以外についての情報も、常にキャッチアップするように努めていますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

投稿者 林浩靖法律事務所

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