所長ブログ
2015年8月 3日 月曜日
[書評]瀬木比呂志 民事訴訟実務・制度要論(日本評論社)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「民事訴訟実務・制度要論」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
この本の著者は、以前書評をした「民事訴訟の本質と諸相 市民のための裁判をめざして」(日本評論社)(該当する記事は、こちら)と同じ、元裁判官の瀬木比呂志明治大学法科大学院教授である。
この本は、はしがきにも記載されているように「実務の核心にある技術、知識、思想の理論的解明、実務の理論的解明」(ⅱ頁)を目的とした書物であり、法律の世界では、学者の書いた理論的な面を追及する基本書と、実務家の書いたハウツー本があふれる状況なので、このような本は大変貴重な書物といえる。
特に、民事訴訟法は、俗に、「学問の民事訴訟法」、「司法試験の民事訴訟法」、「実務の民事訴訟法」があるなどと言われることもあるが、その位、問題意識がバラバラとも言える。そして、「学問の民事訴訟法」は、実際にはほとんど問題とならないような理論的な問題が大きく取り上げられ、「司法試験の民事訴訟法」は当然のことながら試験対策に特化し、「実務の民事訴訟法」は、ハウツー的な本しかないという状態だった。そこへ、本書が現れた。普段、何気なく行っている行為の意味や、より効果的な方法を考える上での糸口が見つかり、また、自身の弁護士としての行為について絶えず反省のきっかけを与えてくれる書物だと思う。
民事訴訟実務は、弁護士にとって、依然として大きなウェイトを占める分野であり、勿論、当職の仕事においても、最大のウェイトを占めていると言えます。林浩靖法律事務所では、本書に限らず、常に最新の情報まで把握して、お客様に常に満足できる最良のサービスを提供させていただく所存ですので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
投稿者 林浩靖法律事務所