所長ブログ

2015年11月 4日 水曜日

[書評]井筒俊彦 『コーラン』を読む(岩波現代文庫)

1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「『コーラン』を読む」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

本書の著者は、以前、書評をした「イスラーム文化 その根柢にあるもの(岩波文庫)」の著者(該当する記事は、こちら)であり、イスラーム学者として第一人者で、日本で最初の『コーラン』の原点役を刊行され、1993年に亡くなられた慶応義塾大学名誉教授である。

本書は、市民セミナーの講演を基にした書物であり、「表現されている思想、イマージュ、そしてまたそれらを下から支えている存在感覚や世界像があまりにも異質だから」(398頁~399頁)理解しにくい『コーラン』の「ごく短い、しかし完全に纏まりのある、一章を綿密に読む」(62頁)ということで、第1章「開扉」の章を綿密に読むという内容になっている。もっとも、実際には、第1章「開扉」の章の文言の理解のために、『コーラン』の他の部分も参照しているので、実質的には、かなりの部分を読んでいる書物である。

例えば、「『旧約』の預言概念を参照することが、『コーラン』の預言概念を理解する上に大いに助けになる」(337頁)という観点から、適宜、旧約聖書との比較を行うなど、コーラン以外の書物も利用しつつ、論じており、イスラーム理解のためには非常に良い書物であると思う。

林浩靖法律事務所では、外国人問題も取り扱っております。イスラームの方もいらっしゃいます。主要な宗教に限らず、きちんと背景知識を押さえた対応するようにしておりますので、外国人問題に限らず、何かお困りのことがありましたら、ぜひ東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。

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弁護士 林 浩靖

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