所長ブログ
2015年12月16日 水曜日
[書評]ディーター・ライポルト(円谷峻訳) ドイツ民法総論-設例・設問を通じて学ぶ-(第2版)(成文堂)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「ドイツ民法総論-設例・設問を通じて学ぶ-」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
本書の著者はフライブルク大学の正教授、訳者は横浜国立大学名誉教授である。本書(原書)は、「ドイツの学生が国家試験を受けるための基本書として高い評価を受けているもの」(まえがきⅷ頁)であり、訳書第2版の原書は、原書第7版である。「欧州連合指令の国内法化や債務法の現代化を目的とした新しい民法典に基づく最上級審裁判所による判例法の形成など」(まえがきⅴ頁)を踏まえた改訂がなされている。
「法律行為」という概念は、日本の民法においても重要な概念であるが、その淵源はドイツ民法に由来する。本書は、ドイツの民法総則のなかでも、特に「法律行為」に重点を置いて説明しているため、日本の民法の理解を深める意味でも有用だと思う。
加えて、日本の基本書ではほとんど取り扱わない答案の書き方についても、民法入門の基本書であることもあり、「問題解決の際のテクニックとして、第一に、考慮される請求権基礎を見出すことが重要」(534頁)、「分類の視点を可能な限り区別し、その視点をそのたびごとに見出しを通じて、認識が容易になるようにすべき」(538頁)など、答案の書き方もきちんと記載されており、教育への配慮がうかがわれる点も良いと思う。
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弁護士 林 浩靖
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