所長ブログ
2016年2月22日 月曜日
[書評]伊藤真監修・伊藤塾著 伊藤真実務法律基礎講座5 民事執行法・民事保全法(弘文堂)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「伊藤真実務法律基礎講座5 民事執行法・民事保全法」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
本書の監修者・著者は、以前、書評をした「伊藤真の条文シリーズ3 会社法[第2版]」(該当する記事は、こちら)と同じであり、本書も同じく弘文堂から出版されている。
本書は、実務に出るとオン・ザ・ジョブトレーニングが中心になるが、その経験が価値あるものになるようにするために、法律の全体像をつかむことを目的とするシリーズの民事執行法・民事保全法である。「設例、確認問題、図表、各種書式などを多く示すことにより、具体的なイメージを持って理解できるように工夫」(はしがきⅢ頁)している。民事執行法・民事保全法の書物では、設例、図表や各種書式を掲載している書籍は一定数みられるが、確認問題まで掲載しているのは、さすが受験指導校が作成した書物と思える点である。確認問題の掲載は民事執行法に限られるが、理解度を確認しながら読み進めることができ、「民事執行法・保全法を専門的に勉強する際の基本書への橋渡しとしての役割」(はしがきⅢ頁)を果たすことができるように工夫されている。
ただ、惜しむらくは、以前書評をした中野貞一郎名誉教授の「民事執行・保全入門(補訂版)」(該当する記事は、こちら)と同じく、民事保全法の記載が薄すぎることである。ただ、この点は、民事保全法をきちんと記載している書物の方が少ないので、基本書を参考に書籍をつくっている受験指導校が作る以上、仕方ないと割り切るしかないであろう。
先週も述べたように、民事執行・保全は、処理の正確性が要求されるものの、細かい問題が多く、しかもイメージは沸きにくいという怖い分野です。林浩靖法律事務所では、きちんと問題点を把握して、万全の処理を期しておりますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
投稿者 林浩靖法律事務所