所長ブログ
2016年5月30日 月曜日
[書評]野中俊彦・中村睦男・高橋和之・高見勝利 憲法Ⅱ(第5版)(有斐閣)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「憲法Ⅱ(第5版)」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
本書は、芦部信喜東京大学名誉教授のお弟子さんに当たる4名の憲法学者による「ある程度共通の学問的基盤と問題意識の上に立った数人の者で、相互に意見を出し合い調整しながら」書かれた共著(はしがきⅲ頁~ⅳ頁)である。
本書は、現在、第5版になっているが、この本の新版を司法試験の受験の際、参考書として使用した。憲法では、第一人者といってよい芦部信喜東京大学名誉教授の書かれた「憲法」(以前書評をしました。該当する記事はこちら)があり、芦部憲法は、コンパクトに憲法全体をまとめた良書であるが、統治分野の記述がやや簡潔すぎるところがあるので、それを補うために本書の新版を用いていたのである。
「本書は、大学の講義用教科書として書かれたものであるが、全体としてマクロには近代立憲主義の歴史と原理、現代国会におけるその受容と変容の解明、ミクロには主要な論点ごとの学説・判例の整理と問題点の解明につとめた。一般的な講義用教科書としての性格上、後者の日本国憲法の解釈論が中心となるが、その前提あるいはその周辺に位置する憲法原理・憲法史・比較憲法の諸問題にもできる限り触れるようにした」(はしがきⅳ頁)ということであるが、周辺問題も含めた内容の濃さは憲法の基本書でもナンバーワンであろう。「憲法の辞書」としても使える書物である。
実務において、憲法は問題になる事件は少ないものの法律家にとってのバックボーンとして重要な法律です。林浩靖法律事務所では、憲法の理念を体現しながら、お客様に常に満足できる最良のサービスを提供させていただく所存ですので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
投稿者 林浩靖法律事務所