所長ブログ

2016年10月24日 月曜日

[書評]立花隆 「知」のソフトウェア 情報のインプット&アウトプット(講談社現代新書)

1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「『知』のソフトウェア 情報のインプット&アウトプット」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

本書の著者は、「田中角栄研究」で有名なフリージャーナリストであり、扱う範囲も広く、一流のジャーナリストと言える方である。

その著者が、情報のインプットとアウトプットについて書いた覚書であるが、当職が本書を手に取ったのは、大学生になった直後だから、もう20年近く前のことになる。ただ、情報のインプットとアウトプットは、弁護士業務において重要なことであり、久しぶりに本書を読むことにした。

「大脳の使い方の一般論は成立しない」(9頁)から、最終的には、自分の方法を確立するしかない。もっとも、本書には役立ちそうなアドバイスがいろいろ散りばめられている。例えば、「精神集中訓練に役に立つのは、きわめつきに難解な文章の意味をいくら時間がかかってもよいから徹底的に考え抜きながら読むこと」(14頁~15頁)、「具体的なものを抽象化し、抽象的なものを具体化しつつ、現実に具体性と抽象性の往復の中でとらえようとする努力が、よき知的アウトプットのために必要」(47頁)、特殊六法は、「官庁方法のインデックス」(109頁)、「想像力を養うのに有効なのは、良質の文学と心理学を学ぶこと」(136頁)、「いかなる情報に接しても、いつでもその真実性を吟味してから受け入れる習慣を身につけておくこと」(216頁)などは、書面を書くことが業務の大部分を占める弁護士にとっても参考になる。いや、ホワイトカラーの仕事であれば、多くの仕事で参考になると思われる。

林浩靖法律事務所では、法律以外の点についても知識を深めるように、日々、研鑚に努めていますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

投稿者 林浩靖法律事務所

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