所長ブログ
2017年4月12日 水曜日
[書評]丸山真男 「文明論之概略」を読む 中(岩波新書)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「『文明論之概略』を読む 中」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
本書は、以前書評をした上巻(該当する記事はこちら)の続きであり、「文明論之概略」の第4章~第7章を扱う。
著者が、「福沢が思想家として優れていると思う点の一つは、その想像力の豊かさです」(287頁)と指摘している通り、福沢諭吉の考え方には、現在でも考えさせられるところがある。
例えば、「制度をいくらよくしても、ものの考え方をかえていかなければダメだというのが、福沢の根本の考え」(244頁)というのは、現在の日本の司法制度にも感じるところがある。例えば、いわゆる人質司法もその一つである。本来、被疑者・被告人の逮捕・勾留は、逃亡や罪証隠滅を防止する手段でしかない。しかしながら、戦前からの考え方が抜けず、自白獲得の手段となっているように思われる。現行刑事訴訟法が施行されて約70年になるが、「考え方」が戦前から変わっていないことも証左だろう。
福沢の思想には、まだまだ学ぶべきところがあると思われる。
林浩靖法律事務所では、幅広い教養を踏まえて業務を行うように努めていますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
本書は、以前書評をした上巻(該当する記事はこちら)の続きであり、「文明論之概略」の第4章~第7章を扱う。
著者が、「福沢が思想家として優れていると思う点の一つは、その想像力の豊かさです」(287頁)と指摘している通り、福沢諭吉の考え方には、現在でも考えさせられるところがある。
例えば、「制度をいくらよくしても、ものの考え方をかえていかなければダメだというのが、福沢の根本の考え」(244頁)というのは、現在の日本の司法制度にも感じるところがある。例えば、いわゆる人質司法もその一つである。本来、被疑者・被告人の逮捕・勾留は、逃亡や罪証隠滅を防止する手段でしかない。しかしながら、戦前からの考え方が抜けず、自白獲得の手段となっているように思われる。現行刑事訴訟法が施行されて約70年になるが、「考え方」が戦前から変わっていないことも証左だろう。
福沢の思想には、まだまだ学ぶべきところがあると思われる。
林浩靖法律事務所では、幅広い教養を踏まえて業務を行うように努めていますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
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投稿者 林浩靖法律事務所