所長ブログ

2014年12月 1日 月曜日

[書評]岡部恒治・戸瀬信之・西村和雄 編著 新版 分数ができない大学生(ちくま文庫)



1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「新版 分数ができない大学生」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

本書の初版は、1999年に東洋経済新報社より刊行され、「学力低下が大きな社会問題として、マスコミに取り上げられるきっかけとなった。」(349頁)本書は、その初版が文庫されるとともに、10年間の経緯を踏まえて若干の補筆がなされた新版である。

本書の意義は、大学生の「基礎科目全体の学力が低下」(5頁)していることを、大学教授らがその経験と実証的なデータに基づいて、多角的に示した書物であり、論者と同じ基礎学力を重視する立場に立つにせよ、一部の教育学者のような「新学力観」というべき反対の立場に立つにせよ、教育問題を論じる、あるいは、考える際には必ず押さえておくべき、境域問題の基本書といえるであろう。

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弁護士 林 浩靖

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