所長ブログ
2014年9月15日 月曜日
[書評]桜井弘編 元素111の新知識(第2版増補版)(講談社ブルーバックス)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「元素111の新知識」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
「私たちは、日常生活のあらゆるところで元素とかかわっている」(8頁)ので、元素が、社会生活や事件とかかわることがある。例えば、福島第一原発事故で放出され、一時、報道でもよく耳にした「セシウム」も元素名である。この本は、京都薬科大学名誉教授である桜井弘氏が編著者となり、編著者を含む14名の共著であるが、①「エピソードをまじえたいきいきとした記述」(9頁)がなされ、「読み物として面白い」(9頁)、②「重要なポイントについてはできるだけ深く掘り下げている」(9頁)、即ち、理由がきちんと書かれている、③「生体すなわち、(中略)生命と元素の関係について可能な限り言及」(9頁)という3つの特徴を有している本で、通読するにも事典として使うにも適した本である。
例えば、コラム27として「福島第一原子力発電所事故と環境に放出された放射性元素」のようなコラム(430頁)があり、セシウムのような放射性元素と環境との関係がきちんと書かれているだけでなく、「中国の希土類鉱床は他国の鉱床と違い、地中の希土類元素が長い年月を経て年度に吸着した者で」あり、「粘土に吸着した希土類元素は薬品で簡単に抽出精製でき、他の鉱山よりコスト的に有利」(301頁)だから、中国が希土類元素(レアアース)について、高い競争力を有していること、即ち、中国政府がレアアース輸出規制をかければ、企業は安価なレアアースを調達することが難しくなることのような社会との関係にも触れられている。
このように、本書は、元素に関する基礎知識を、実社会との関連で調べるのに適した書物であり、本書を弁護士業務に活かして行きたい。
林浩靖法律事務所では、法律知識に限らず、常に隣接分野の知識も幅広くキャッチアップするように努めていますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
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2014年9月 7日 日曜日
10周年記念大会に参加して
当職は、2004年10月に司法研修所を卒業して弁護士になりましたので、今年で10年ということになります。研修所を卒業して10周年は熱海、20周年は京都でパーティーというのが恒例になっています。そのため、昨日から今朝まで熱海後楽園ホテルでの記念パーティーに参加しました(ゴルフをする方は、今日はゴルフをしています。)。弁護士をやっているクラスメート、裁判官をやっているクラスメートで、半分ぐらいは参加していました。
皆さん、10年たって、当時と比べて、自信も貫禄もついていました。当職も、同じように成長したいと思います。
林浩靖法律事務所
弁護士 林 浩靖
皆さん、10年たって、当時と比べて、自信も貫禄もついていました。当職も、同じように成長したいと思います。
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弁護士 林 浩靖
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2014年9月 3日 水曜日
[書評]川井健(良永和隆補筆)民法案内 13事務管理・不当利得・不法行為(勁草書房)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「民法案内 13事務管理・不当利得・不法行為」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
この本は、以前書評をした「民法案内1 私法の道しるべ(第2版)」(該当する記事は、こちら)のシリーズで、財産法の最後の部分にあたる書物である。このシリーズは、「我妻先生においても遺作となった『民法案内第11巻』の後を引き継」いで(はしがきⅱ頁)財産法の最後の部分を、我妻榮東京大学名誉教授の最後の弟子である川井健一橋大学名誉教授が執筆したものである。
この本が出版されているのを見たとき、大変驚いた。我妻名誉教授の後を、我妻名誉教授の弟子にあたる先生方が執筆して完成させたいという希望を有していたことは、川井名誉教授以前の補訂者もはしがきに同様なことを書かれていたので知っていたが、どの先生方も鬼籍に入られ、「最後の弟子」川井名誉教授も昨年5月に鬼籍に入られたからである。
しかしながら、川井名誉教授は、亡くなる直前まで「本書の執筆・完成に取り組」み(はしがきⅱ頁)、その原稿を良永和隆専修大学法科大学院教授が補筆して、本書が出版された。良永教授が、一部を川井名誉教授の基本書を参考にして補った影響かもしれないが、一部に学説の羅列と思われるところもあるが、概ね、基本的な対立点から書き起こされており、特に、不法行為法が、学説が乱立して、混迷を深めた状況になっている現在、本書が出版されたことは喜ばしいと思う。
不法行為は契約と並ぶ重要な話で、当然、普段、取り扱う事件でも問題になります。原発事故などは、不法行為法の塊のような事件です。林浩靖法律事務所では、基本から最新の事項まで、きちんとフォローしていますので、必ず、ご満足いただけるサービスをご提供しています。何か、お困りごとがございましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談下さい。
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2014年8月28日 木曜日
[書評]F.H.ネッター(相磯貞和訳)ネッター解剖学アトラス(南江堂)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「ネッター解剖学アトラス」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
人間が何かという質問に答えるのは相当難しいと思うが、一つ、人間肉体のメカニズムは知っておく必要があるのではないかと思う。この本は、その序(第4版の序)にあるとおり「複雑さと単純化との間でバランスをとりながら明瞭に、視覚的に、しかも林床とのかかわりを持った形で解剖学が描かれている」書物である。著者の元外科医であり、かつ、画家であったという特性から誕生した書物といえよう。
特に、時折、絵だけでなく、レントゲンの図を合わせて示している箇所があり、対照してイメージしやすさを増している点も良いと思う。病院でレントゲンを撮っても、良く分からずに見ながら、医師の説明を受けていたものが、分かりやすくなる面もある。
また、身体内部への影響だと、「甲状腺」などと言う言葉は知っていても、意味が良く分からないということはあるが、本書では、図70などにきちんと周囲も含めた絵が示されているから、イメージが持ちやすくなることが出来る。
今後とも、読書の際の友として、業務を含めた専門知識が必要な際の友として、活用したいと思う。
林浩靖法律事務所では、隣接分野の必要事項まで、きちんとフォローしていますので、必ず、ご満足いただけるサービスをご提供しています。何か、お困りごとがございましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談下さい。
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2014年8月21日 木曜日
[書評]カント(宇都宮芳明訳)永遠平和のために(岩波文庫)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「永遠平和のために」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
著者のカントは、ドイツの哲学者(1724年生―1804年死去)が、晩年に「永遠平和の実現を念じて公表した著作」(125頁)であり、世界の平和構築の原点を示す著作である。日本国憲法9条は、その原点を探れば、第三条項である「常備軍は、時とともに全廃されなければならない。」(16頁)に行きつき、国際連合の理念は、永遠平和のための第二確定条項である「国際法は、自由な諸国家の連合制度の基礎を置くべきである。」(38頁。なお、傍点は略した。)に行きつく。
IS(自称:イスラム国)のようなテロ組織の活動の活発化や、2012年の自民党改憲草案の公表など、平和を構築するという理念とは正反対の動きが目立つ。このような内外の情勢の中、平和構築という人類共通の大きな夢をどのように実現するかを考えるべく、このタイミングで、本書を読んだ。憲法9条は、人類共通の大きな夢を目指す第一歩であり、この思想を世界各国に広めていくことは、「平和国家」のブランドイメージを築いてきた日本にとって、重要なことだと思う。
当職も、東京・池袋で、日常の業務もきちんとこなしながら、人類共通の大きな夢を実現することに、少しでもお役にたてるように努力していきたいと思います。
林浩靖法律事務所
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